Zimbra Collaboration 8.8.3 アップグレードする方法

アップグレード実行前の注意事項

アップグレードを実行する前に、以下のタスクの実行が必要となる可能性がございます。以下のタスクを参照いただきましたら、アップグレード手順をご確認ください。また、アップグレードする前に、最新の注意事項を確認するため、リリースノートをご参照ください。

Bug 105056 すべてのメールボックスサーバが8.7へのアップグレードが完了する前に２要素認証(2FA)を有効化した場合、アップグレードする環境に問題が発生することを確認しています。特に、8.7より前のメールボックスサーバは2FAとの互換性がありません。

そのため、すべてのメールボックスサーバが正常に 8.7 へのアップグレードが完了した後にのみ、2FAを有効化することを推奨しております。

アップグレード時に以下の新しいサービスをインストールすることが可能となりました。各サービスの詳細につきましては Zimbra Collaboration Administration Guide を参照し、インストールするかご検討ください。

zimbra-chat
zimbra-drive
zimbra-imapd

Zimbra データベースの整合性チェック

過去の事例では、データベースが既に破損しているユーザーがアップグレードを実行し、データベースの破損がさらに拡大し、問題が深刻化したことがあります。破損してるデータベースを事前に確認するため、システムの変更を実行する前に zmdbintegrityreport では MariaDBのデータベースをチェックするオプションを追加しています。アップグレードを実行する際にzmdbintegrityreportを実行するかどうかを確認されます。

システムのサイズやディスクの仕様により、zmdbintegrityreport が完了されるまで数分から数時間かかる場合があります。

zmdbintegrityreport はすべてのZimbra-storeサーバにてCronにより毎週に自動的に実行されます。大規模システムでこの設定を無効化する場合、以下のコマンドを実行します。 zmlocalconfig -e zmdbintegrityreport_disabled=TRUE 無効化しますと、システムのメンテナンス期間でこの整合性レポートを手動での実行、 ZCSのアップグレード前の手動での実行を推奨しております。

OSの準備

ZCSをアップグレードする前に、Zimbra はご利用のOSに最新のパッチを適用することを推奨しております。

Ubuntu OS

Ubuntu 16.04 LTS Server Edition (64-bit)
Ubuntu 14.04 LTS Server Edition (64-bit)

Ubuntu 12.04.4 LTS Server Edition *saucy (3.11) 以降のカーネルを導入する必要があります。

インストールされているのがUbuntu 12.04.2、またはそれ以前の場合、saucy (3.11)またはそれ以降のカーネルシリーズへ変更するため、手動での操作が必要となっています。詳細についてはこちらを参照ください： https://wiki.ubuntu.com/Kernel/LTSEnablementStack

現在のカーネルバージョンを以下のコマンドで確認することが可能です。

uname -a

実行例：

build@zre-ubuntu12-64:~$ uname -a
Linux zre-ubuntu12-64 3.11.0-17-generic #31~precise1-Ubuntu SMP Tue Feb 4
21:25:43 UTC 2014 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

Red Hat Enterprise Linux/CentOS Linux

RHEL Linux をご利用の場合、RedHat より有効なライセンスを適用している必要があります。
サーバは yum または apt-get でZimbraパッケージのサーバへ接続できる必要があります。

RedHat® Enterprise Linux® 7, AS/ES (64-bit)
CentOS Linux® 7 (64-bit)
Red Hat Enterprise Linux 6, AS/ES (64-bit), パッチレベル4以降が必要
CentOS Linux 6 (64-bit), パッチレベル4以降が必要

ライセンスアクティベーションについて

アップグレードのインストール開始前に、既存のライセンスファイルが自動的に確認され、アップグレード可能なライセンスであるか判断されます。ライセンスの有効期限が満了している場合、エラーが表示し、アップグレードのインストールが停止されます。その場合、アップグレードするためにライセンスの更新手続きについて Zimbra 営業部門までご連絡ください。
アップグレードのインストールは自動のアクティベーション、または既に手動でアクティベーションされたライセンスファイルが存在しない場合、アップグレードは開始されません。また、ライセンスファイルのアクティベーション回数は最大で 5回となっております。ご利用中のシステムのアップグレードを実行する前にすべてのアクティベーション回数を使用済みの場合、ライセンスアクティベーション回数を追加するためにZimbra 営業部門までご連絡ください。

すべての{product-edition-commercialのインストールにはライセンスのアクティベーションが必要となっております。新規にインストールした環境では、ライセンスの発行日より10日以内にアクティベーションを実行する必要があります。

アップグレードの場合、Zimbraライセンスサーバーへ外部接続が可能なシステムについて、アクティベーションはアップグレード中に自動的に行われます。 Zimbraライセンスサーバーへ外部接続が不可能のサーバについて、手動のアクティベーション方法を用意しております。詳細については {Zimbra Collaboration Administration Guide をご参照ください。

古いバージョンのZimbra Collaborationからアップグレードする場合、ZCOとアーカイブのライセンスの制限確認を実行する方法が変更された可能性があります。古いライセンスをご利用の場合、 MAPIConnectorAccountsLimit が「0」、または ArchivingAccountsLimit がライセンスに記載されていない場合があります。それらの機能を購入済み、およびご利用のライセンスに正常なアカウント制限が表示されていない場合、アップグレードする前にZimbra営業部門より更新されたライセンスのファイルを依頼してください。

LDAPのレプリカサーバ、およびマルチマスターサーバ環境のアップグレード

この手順は ZCS 8.0.0, 8.0.1, 8.0.2 から ZCS 8.0.4 とそれ以降のバージョンのみ対象です。

レプリカサーバ、またはマルチマスターのモードを使用している場合、 ZCS 8.0.4とそで以降のバージョンへアップグレードする前に、アップグレードするバージョンのZimbra LDAPスキーマを各レプリカサーバ、またはマルチマスターのサーバへインストールする必要があります。詳細については Bug 81048 をご参照ください。

マスターLDAPサーバにZCS8.0.4以降のソフトウェアのみインストールを実行します。
```
./install.sh -s
```
各レプリカ、またはMMRモードで追加マスターLDAPサーバをZimbraユーザーにて
1. 以下のコマンドでサーバを停止する：
  1. ldap stop
  2. zmcontrol stop
2. 既存の`Zimbra`のスキーマを移動します：
  cd /opt/zimbra/data/ldap/config/cn=config/cn=schema mv cn={4}zimbra.ldif /opt/zimbra/data/ldap/cn={4}zimbra.ldif.dead
3. マスターLDAPサーバからスキーマをコピーします：
  scp root@<master>:/opt/zimbra/openldap/etc/openldap/schema/zimbra.ldif cn={4}zimbra.ldif
4. cn={4}zimbra.ldif に以下の行を編集します：
  dn: cn=zimbra,cn=schema,cn=config -------> dn: cn={4}zimbra cn: zimbra -------> cn: {4}zimbra
5. 以下のコマンドでサーバを起動します:
  1. ldap start
  2. zmcontrol start
マスターLDAPサーバに以下を実行します:
```
/opt/zimbra/libexec/zmsetup.pl
```
各レプリカサーバにて以下を実行します:
```
 ./install.sh
```
アップグレードを継続するには [_multi_server_environment_upgrade_steps]を参照ください。

SSLv3のサポートを無効化する

ZCS 8.7.0へアップグレードする場合、アップグレード後に SSLv3 を完全に無効化する必要があります。以下の SSLv3 脆弱性により、SSLv3 を完全に無効化することを推奨しております。 Alert (TA14-290A).

なお、8.6.0 より SSLv3 のサポートは終了していますが、ZCSの古いバージョンからアップグレードする場合、対象のプロトコルが有効のままで設定されてしまう可能性がございます。

新しくインストールする ZCS 8.7.0 (とそれ以降) では SSLv3 がデフォルトで無効化されています。
以前バージョンのZCSではSSLv3が有効化されている可能性があります。

ZCS 8.7.0 へアップグレード後、Zimbra wiki記事 How to Disable SSLv3 の手順にて、 SSLv3を無効化してください。

デファルトのプロキシーSSL暗号の値アップデート

アップグレードする際、以下の属性値を確認(zmprov gcf <attr>)し、最新のデフォルト値 (zmprov desc -a <attr>)に座がないか調査することを推奨しています。

zimbraReverseProxySSLCiphers
zimbraReverseProxySSLProtocols
zimbraSSLExcludeCipherSuites
zimbraMailboxdSSLProtocols

設定の見直しが行われていない場合、ZCSのデフォルト設定と一致しますので、追加の修正は必要ございません。

また、以下の設定変更を推奨しております。

zimbraReverseProxySSLCiphers から以下の暗号を削除する:
```
ECDHE-RSA-RC4-SHA
ECDHE-ECDSA-RC4-SHA
RC4-SHA
```
zimbraReverseProxySSLCiphers に以下を追加する:
```
!RC4
```
有効な暗号の設定に関する最新情報につきまして、以下の Wiki 記事をご参照ください。 https://wiki.zimbra.com/wiki/Cipher_suites

ZCOインストールのカスタマイズについて

ZCO のインストールMSIのカスタマイズをご希望の管理者は、Zimbraのダウンロードディレクトリにある、署名していないMSIバージョン (ZimbraConnectorOLK_n.n.n.nnnn_xnn-unsigned.msi)をご利用ください。エンドユーザー様へ /downloads/index.html や ZCO の自動アップグレードにカスタマイズされたMSIを提供するため、通常の署名されたMSI (ZimbraConnectorOLK_n.n.n.nnnn_xnn.msi) を上書きします。 (Bug 85067).

アップグレードの手順

ソフトウェアをダウンロードする

Network Editionをアップグレードする場合、www.zimbra.com のダウンロードページより最新版のソフトウェアを提供しています。 http://www.zimbra.com/downloads/zimbra-collaboration

アップグレード実行前に、すべてのユーザーが含まれている有効なバックアップが存在することをご確認ください！
7.xから8.xのアップグレードにデータベースのリロードが発生します。

インストールのスクリプトを実行する際、ZCSが既にインストールされている場合、アップグレードするかどうかが確認されます。アップグレードする際に、以下の手順を参照ください。この手順以外の詳細な情報についてはリリースノートを参照ください。

Zimbraでは、インストールやアップグレードのセッションが完了する前に、誤ってインストールを途中で停止しないため、UNIXコマンドの screen などで実行することを推奨しています。大量のアカウントが存在している環境で、長時間に設定の復元が発生する可能性がございますので、これはデータの破損を回避するための重要な対策となります。

コマンドの実行例：

screen ./install.sh

シングルサーバのアップグレード手順

アップグレードする前にサービスを停止する必要はありません。アップグレードのプロセスが自動的に必要なサービスの停止と起動が行います。

プロセス

Zimbra サーバーへrootユーザでログインし、Zimbra Collaboration の Tarアーカイブファイルを保存したディレクトリへ移動します。例：cd /var/<tmp>。移動後、以下のコマンドを実行します。
ファイルを展開する
tar xzvf zcs.tgz
適切なディレクトリへ移動する
cd <expanded-directory>
インストールを開始する
./install.sh

アップグレード用のスクリプトは proxy と memcached がインストールされているか確認します。両方のプロセスがインストールしてる場合、アップグレードを行います。インストールされていない場合、アップグレードが停止し、警告メッセージが表示されます。

8.7.0 とそれ以降のバージョンでは、proxy と memcached のインストールが必須となりました。
詳細については Enabling Zimbra Proxy and memcached をご参照ください。

Zimbra のソフトウェア契約が表示します。契約を確認し、Y を入力してください。
Use Zimbra’s packaging server [Y] が表示されたら、 Enter キーを押します。サードパーティ製のパッケージをインストールするため、ご利用システムにより Zimbra の yum または apt-get パッケージリポジトリが設定されます。
Do you wish to upgrade? [Y] が表示されたら、 Enter キーを押します。アップグレードするパッケージが展開されます。
インストールするパッケージが一覧表示されます。また、インストーラはまだインストールしていないパッケージも一覧表示します。追加でインストールを希望する場合、Y を入力しますが、変更しない場合は Enter キーを押します。インストーラが Zimbra をインストールできるディスクの空き容量を確認します。十分な空き容量がなかった場合、インストールが停止されます。
The system will be modified. Continue? [N] が表示されたら、 Y を入力し、 Enter キーを押します。Zimbra サーバは停止し、古いパッケージが削除されます。アップグレードのプロセスが実行中の ZCS バージョンを確認し、サービスをアップグレードし、既存の設定ファイルを復元し、サーバを再起動します。なお、ご利用環境に大量のアカウントを登録している場合、このステップに時間がかかる可能性があります。
タイムゾーンを設定していない場合、設定するように要求されます。設定するタイムゾーンはデフォルトのCOSにも適用されます。そのため、COS にある主なユーザが利用してるタイムゾーンに指定することを推奨しています。
設定が完了すると、 enter キーを押します。

すべての MTA ノードが Zimbra Collaboration 8.8.3 へのアップグレードが完了したら、デフォルトの globalconfig 値を以下のコマンドで修正する必要がある場合がございます。

zmprov mcf zimbraMtaCommandDirectory /opt/zimbra/common/sbin
zmprov mcf zimbraMtaDaemonDirectory /opt/zimbra/common/libexec
zmprov mcf zimbraMtaMailqPath /opt/zimbra/common/sbin/mailq
zmprov mcf zimbraMtaManpageDirectory /opt/zimbra/common/share/man
zmprov mcf zimbraMtaNewaliasesPath /opt/zimbra/common/sbin/newaliases
zmprov mcf zimbraMtaSendmailPath /opt/zimbra/common/sbin/sendmail

DSPAM is not longer shipped Zimbra Collaboration 8.7 とそれ以降のバージョンでは、 DSPAM は提供しておりません。そのため、以下のコマンドを実施し、無効化してください。
```
zmprov ms `zmhostname` zimbraAmavisDSPAMEnabled FALSE
zmlocalconfig -e amavis_dspam_enabled=false
zmamavisdctl restart
```
アップグレード完了です。データベースのスキーマ変更により、メジャーのバージョンへのアップグレードが完了後、完全バックアップを実施することを推奨しております。

マルチサーバ構成のアップグレード手順

以下の順番でサーバをアップグレードします。以下の[_process_2]に従い、各サーバを1台ずつアップグレードしてください。

マスター LDAP サーバ　すべてのマスターLDAPサーバを最初にアップグレードする必要があり、他のサーバをアップグレードするためにもマスターLDAPサーバが正常に起動している状態でなければいけません。
レプリカ LDAP サーバ
MTA サーバ - ご参考： [_using_lmdb_as_the_supported_back_end_for_on_disk_database_maps]
Proxy サーバ
メールストアサーバ

プロセス

Zimbra サーバーへrootユーザでログインし、Zimbra Collaboration の Tarアーカイブファイルを保存したディレクトリへ移動します。例：cd /var/<tmp>。移動後、以下のコマンドを実行します。
ファイルを展開する
tar xzvf zcs.tgz
適切なディレクトリへ移動する
cd <expanded-directory>
インストールを開始する
./install.sh

8.7.0 とそれ以降のバージョンでは、proxy と memcached のインストールが必須となりました。
詳細については Enabling Zimbra Proxy and memcached をご参照ください。

Zimbra のソフトウェア契約が表示します。契約を確認し、Y を入力してください。
Use Zimbra’s packaging server [Y] が表示されたら、 Enter キーを押します。サードパーティ製のパッケージをインストールするため、ご利用システムにより Zimbra の yum または apt-get パッケージリポジトリが設定されます。
Do you wish to upgrade? [Y] が表示されたら、 Enter キーを押します。アップグレードするパッケージが展開されます。
インストールするパッケージが一覧表示されます。また、インストーラはまだインストールしていないパッケージも一覧表示します。追加でインストールを希望する場合、Y を入力しますが、変更しない場合は Enter キーを押します。インストーラが Zimbra をインストールできるディスクの空き容量を確認します。十分な空き容量がなかった場合、インストールが停止されます。
The system will be modified. Continue? [N] が表示されたら、 Y を入力し、 Enter キーを押します。Zimbra サーバは停止し、古いパッケージが削除されます。アップグレードのプロセスが実行中の ZCS バージョンを確認し、サービスをアップグレードし、既存の設定ファイルを復元し、サーバを再起動します。なお、ご利用環境に大量のアカウントを登録している場合、このステップに時間がかかる可能性があります。
タイムゾーンを設定していない場合、設定するように要求されます。設定するタイムゾーンはデフォルトのCOSにも適用されます。そのため、COS にある主なユーザが利用してるタイムゾーンに指定することを推奨しています。
設定が完了すると、 enter キーを押します。

zmprov mcf zimbraMtaCommandDirectory /opt/zimbra/common/sbin
zmprov mcf zimbraMtaDaemonDirectory /opt/zimbra/common/libexec
zmprov mcf zimbraMtaMailqPath /opt/zimbra/common/sbin/mailq
zmprov mcf zimbraMtaManpageDirectory /opt/zimbra/common/share/man
zmprov mcf zimbraMtaNewaliasesPath /opt/zimbra/common/sbin/newaliases
zmprov mcf zimbraMtaSendmailPath /opt/zimbra/common/sbin/sendmail

DSPAM is not longer shipped Zimbra Collaboration 8.7 とそれ以降のバージョンでは、 DSPAM は提供しておりません。そのため、以下のコマンドを実施し、無効化してください。
```
zmprov ms `zmhostname` zimbraAmavisDSPAMEnabled FALSE
zmlocalconfig -e amavis_dspam_enabled=false
zmamavisdctl restart
```
アップグレード完了です。データベースのスキーマ変更により、メジャーのバージョンへのアップグレードが完了後、完全バックアップを実施することを推奨しております。

オンディスクのデータベースマップのサポート対象バックエンドとして、LMDBを利用する

ZCS 8.5とそれ以降のバージョンについて、 Postfix はバックエンドとして OpenLDAP と同様に LMDB に関連付いています。ZCS 8.0とそれ以前では、 Postfix_は_Berkley DB に関連付いています。

ZCS はZCS 8.5より以前のバージョンでは Postfix のオンディスクデータベースをサポートしていませんでした。しかしながら、カスタムマイズにより `postconf`の設定で編集することは可能でした。なお、これらのカスタム設定はアップグレード後に削除されます。

アップグレード後にカスタム設定を復元するには、以下の手順を実施する必要があります。

データベースのインプットファイルへpostmapを実施し、LMDBデータベースを発行します。
各postconfキーに hash:/path/to/db の値を lmdb:/path/to/db へ手動にLDAPで更新する必要があります。

以前にオンディスクのデータベースマップでしか利用できなかった機能は現在、 ZCSで完全にサポート対象となりました。そのため、アップグレード後にカスタマイズした内容が正常に適用されるか検証してください。詳細については Bug 77586 を参照ください。

アップグレード完了後の注意事項

アップグレード後、以下の項目について注意する必要がある場合があります。

Review How to disable SSLv3.
Review Cipher suites.
アップグレードのプロセスでデータベースのフォーマットに重要な変更がある場合、 Zimbraが既存のデータベースのバックアップを取得する場合があります。アップグレードが成功していることを確認しましたら、管理者にて、この不要なバックアップファイルをクリーンアップすることが可能です。LDAP サーバでは、これらのデータベースバックアップファイルは` /opt/zimbra/data/ldap` のパスに保存され、ファイル名が<データベース名>.prev.の形式になります。はアップグレードスクリプトのプロセスIDになります。詳細については、 Bug 81167 をご参照ください。

アップグレード後、 zmldapupgrade -b 66387 を実行することを推奨します。 zimbraAllowFromAddress の属性値は内部アカウントや配布リストに設定できません。このスクリプトを実行することで、 zimbraAllowFromAddress の値がアクセス許可へ変更されます。

zimbraAllowFromAddress を大量のアカウントに設定されている環境に実行すると長時間かかる場合がありますので、このステップはインストーラのアップグレードに含まれません。
移行コマンドにて`zimbraAllowFromAddress` の値が設定しているアカウント数を確認し、移行が必要となったアカウント数も返答します。すべてのアカウントが正常に移行されたことを確認するため、コマンドを再度実行してください。合計は変更されませんが、移行されたアカウントは 0 になりません。詳細については、 Bug 66387 を　参照ください。

自己署名のSSL証明書の有効期限が切れている場合、更新してください。

有効期限が切れている証明書を確認する場合、以下のコマンドを zimbra ユーザーとしてご実行ください。

/opt/zimbra/libexec/zmcheckexpiredcerts -days 1 -verbose

Zimbra Collaborationでは、内部機能のデータ通信などのコミュニケーションを行うため、有効な自己署名、または商用のSSL証明書が必要です。 Zimbra Collaborationのインストールで自動的に作成される自己署名した証明書にデファルトの有効期限はあります。

ご利用のZCSシステムは自己署名した証明書を1年間以上に使用している場合、アップグレード前、またはアップグレードの直後に証明書を更新する必要性があります。

アップグレード後、Zimbraユーザーで以下のコマンドで自己署名した証明書が新しく発行されます。

sudo /opt/zimbra/bin/zmcertmgr createca -new
sudo /opt/zimbra/bin/zmcertmgr deployca
sudo /opt/zimbra/bin/zmcertmgr deploycrt self -new

ZCS 8.0.7より以前のバージョンでzmloggerを使用した場合、大量のrddファイルが作成され、大量のディスク容量を使用してる可能性があります。 ZCS 8.0.7にはrddファイルの増加が発生しないためのパッチが含まれています。既存のrddファイルをクリーンアップするには、以下のスクリプトを使用し、rddファイルをサーバから削除します。詳細について、 Bug 85222 を参照ください。

sudo su - zimbra
zmloggerctl stop
cd /opt/zimbra/logger/db/data

for nhostid in $(sqlite3 /opt/zimbra/logger/db/data/logger.sqlitedb 'select
id from hosts'); do for ID in $(sqlite3 logger.sqlitedb "select rrd_file, col_name_19 from rrds Where csv_file == 'imap.csv' and host_id == ${nhostid}" | egrep "__[0-9]+$" | cut -d'|' -f1 | sort -n | uniq); do mv rrds/${nhostid}-$ID.rrd /opt/zimbra/logger/db/data/wrong_rrds/; done ; done

for mon in {1..12}; do MON=$(LANG=en_US; date +%b -d 2013-${mon}-01); sqlite3 logger.sqlitedb "DELETE FROM rrds WHERE col_name_19 LIKE '${MON}_%'"; done

sqlite3 logger.sqlitedb "VACUUM;"

zmloggerctl start
rm -R /opt/zimbra/logger/db/data/wrong_rrds
rm /opt/zimbra/logger/db/data/logger.sqlitedb.backup

以下の設定を使用している場合、新しい設定の値を設定し直す必要があります。

以下の設定値の使用は終了しております：

httpclient_client_connection_timeout
httpclient_connmgr_connection_timeout
httpclient_connmgr_idle_reaper_connection_timeout
httpclient_connmgr_idle_reaper_sleep_interval
httpclient_connmgr_keepalive_connections
httpclient_connmgr_max_host_connections
httpclient_connmgr_max_total_connections
httpclient_connmgr_so_timeout
httpclient_connmgr_tcp_nodelay

上記の設定は以下の設定値に更新されました：

httpclient_internal_client_connection_timeout
httpclient_internal_connmgr_connection_timeout
httpclient_internal_connmgr_idle_reaper_connection_timeout
httpclient_internal_connmgr_idle_reaper_sleep_interval
httpclient_internal_connmgr_keepalive_connections
httpclient_internal_connmgr_max_host_connections
httpclient_internal_connmgr_max_total_connections
httpclient_internal_connmgr_so_timeout
httpclient_internal_connmgr_tcp_nodelay
httpclient_external_client_connection_timeout
httpclient_external_connmgr_connection_timeout
httpclient_external_connmgr_idle_reaper_connection_timeout
httpclient_external_connmgr_idle_reaper_sleep_interval
httpclient_external_connmgr_keepalive_connections
httpclient_external_connmgr_max_host_connections
httpclient_external_connmgr_max_total_connections
httpclient_external_connmgr_so_timeout
httpclient_external_connmgr_tcp_nodelay

エフェメラルデータ移行

Zimbraの8.8.3以前のバージョンでは、 エフェメラルデータ は LDAP に保存されました。 エフェメラルデータ の実例として：

zimbraAuthTokens
zimbraCsrfTokenData
zimbraLastLogonTimestamp

Zimbra Collaboration 8.8.3 により、 エフェメラルデータ を外部のサービス、例えば SSDBへ保存することが可能となりました。これは任意の機能ですが、 LDAP のパフォーマンスと安定性が向上できる場合があります。

詳細につきましては Zimbra Collaboration Administration Guide を参照ください。 エフェメラルデータ を LDAP から SSDB へ移行することはサポート対象バージョンのインストール、またはアップグレードが完了後にのみ行うことが可能です。

IMAPD サービス

Zimbra Collaboration 8.8.3 より、mailboxd から独立した zimbra-imapd サービスでIMAP[S]を運用できる機能を提供しています。この新しいサービスをメールボックスサーバ、または独立したサーバに提供し、IMAPサービスをメールボックスと別にスケールすること可能がです。別のサーバに提供することも可能であるため、メールボックスサーバの負荷を減少できる可能性もあります。

新しい機能の zimbra-imapd は大規模なマルチサーバ環境向けに最適化していますが、シングルサーバ環境でも利用することが可能です。

シングルサーバ環境に zimbra-imapd を使用することで、2つの異なるJVMは IMAP[S]リクエストを処理しますので、実際に利用するメモリ容量が減少し、各JVMのGarbage Collectionのパフォーマンスが向上する可能性があります。個別に処理をすることで、システムを強化します。ただし、JVM内のコミュニケーション通信オーバーヘッドの増加に対して適切なチューニングが必要となります。

アップグレード時に zimbra-imapd のパッケージをインストールする場合、パッケージはインストールされますが、起動するよう設定されません。起動させるためには、以下のグローバル設定を手動で更新する必要があります。

zimbraRemoteImapServerEnabled
zimbraRemoteImapSSLServerEnabled

zmprov mcf zimbraRemoteImapServerEnabled TRUE
zmprov mcf zimbraRemoteImapSSLServerEnabled TRUE
zmimapdctl start

設定の詳細につきましては、 Zimbra Collaboration Administration Guide をご参照ください。

既存のバージョンを削除し、ZCSをクリーンインストールする手順

アップグレードせずに、Zimbra CollaborationNetwork Editionを新規のインストールで実行したい場合、Zimbra CollaborationNetwork Editionのインストールスクリプトを実行した際に、Do you wish to upgrade? に N (no) を入力してください。

すべての既存ユーザーとメールを削除する警告が表示されます。 Yes を入力すると、インストールする前にすべてのユーザー情報、メール、および既存のファイルが削除されます。インストール方法につきまして、本ガイドにあるインストール手順を参照ください。

カスタマイズしたZCSにアップグレード後の影響について

最新版のリリースへアップグレードすることで、既存のアカウントの削除や設定の変更が発生することはありません。

 _LDAP_ と _Localconfig_ に保存した設定はアップグレード中は保護されます。
しかしながら、{product-abbrev}でインストールするファイルは削除される、
または上書きされる場合がありますので、追加したカスタマイズ内容が消失する
可能性があります。たとえば、カスタマイズしたテーマ、ロゴの変更、および
crontabの変更が消失の可能性があるカスタマイズ内容です。

また、アップグレード後、コアのZimletのみが有効の状態になります。カスタマイズしたZimletやコア以外にインストールしたZimletはアップグレードで削除されませんが、無効化されます。カスタマイズZimletをリリース前にテストできないため、エンドユーザーへ再度提供する前に、Zimletの動作確認を十分に実行いただくことを推奨しています。

以前のメジャーバージョンからZCS8.5.0とそれ以降のバージョンへアップグレードする際、コアZimlet以外のZimletはすべてのCOSに無効化されます。しかし、各アカウントにてZimletを手動に有効化している場合、それらのZimletを各アカウント設定で手動に無効化する必要となる可能性があります。詳細については Bug 77836を参照ください。

ZimbraのCrontabファイルに指定したコメント内の内容はアップグレード後にデフォルトの値へ上書きされます。カスタマイズしたバックアップのスケジュール、およびカスタマイズ内容の入力を禁止するコメント範囲外に入力した内容は上書きされません。

カスタマイズしたテーマの変更について

Zimbra Collaboration 8.5.0とそれ以降にて、新しいデファルトスキンのデザインが適用されました。そのため、Zimbra Collaboration 7.xで作成したカスタムスキンが Zimbra Collaboration 8.5.0で正常に機能しない可能性があります。スキンに含まれている内容によりますが、違う場所に指定されている色が使われるといった小さな問題や、必要なコンポーネントが非表示またはアクセスできない範囲へ設置されるなどの大きな問題が発生する可能性があります。修正するには、既存の8.5.0スキンをコピーし、コピーしたスキンを編集し、問題のスキンの機能を追加する必要があります。詳細については Bug 62523を参照ください。